先日、嫌われキャラだった"ガリガリ君"が、アイスの売り上げを3倍にできたワケ という記事を読みました。
今や知る人の方が少ないと思われる「ガリガリ君」。
大人にも子供にも人気のアイスですね。
この記事は、電通 第二CRプランニング局 山本氏がインタビュアーになり、
赤城乳業株式会社のガリガリ君のコミュニケーションを統括するキーマン荻原氏と、
キャラクター・データバンクの陸川氏にガリガリ君の成功の秘訣を追うという企画になっていました。
インタビュー内容のダイジェストです。
・ガリガリ君は1981年に誕生。
1981年発売当時
全然今とは違ったのね。今のガリガリ君の要素が一つも無い….
・1999年に全国の消費者に対して大規模な商品調査を行ったところ、キャラクターに関する回答で「歯茎が気持ち悪い」「汗が泥くさい」、ついには「絶対買わない」とまで言われてしまい、2000年にリニューアルを決めた。
・1981年発売以来、長年人々の記憶に刷りこまれてきた既にアイコン化されたものではあったため、調査でちょっと嫌な部分を指摘された要素も、ある程度残しながらリニュアルデザインに昇華させた。
2000年発売時 (キャラクターリニュアル後)
・2004年、猛暑の年でアイス全体の売上げが伸び、ガリガリ君もテレビCMをして歌も作って商品の売り上げも伸長。
・しかしながら、某雑誌のキャラクターランキングで、ガリガリ君が嫌いなキャラクター第4位に入ってしまった。しかも好きなランキングには入らず、嫌いなキャラにだけ単独でランクイン。
・この時点では、認知度は向上したものの、好意度には未だ問題があった。
・ただし、アイスは好きという声が多かったことからまだまだ試すべきことはあると希望を持ち、キャラクタービジネスの展開を決める。
・ガリガリ君プロダクション(ガリプロ)を設立。ガリガリ君専業のプロモーション会社を立ち上げるという異例の策を講じた。商品のマークとしてではなく、あくまでもキャラクター「ガリガリ君」をプロモーションするという事業を展開。
・2004年時点では1億5,000万本だった売上げが、直近2013年には4億7500万にまで膨れ上がった。わずか10年で約3倍の成果をガリプロは叩き出した。
・ガリプロの業務は、ガリガリ君に関するデザイン、広告宣伝などプロモーション関連、イベント運営、音楽、コラボ先のデザイン監修、ロイヤリティー関係と、ガリガリ君周りの全てを担う。
ライセンス展開としては、絵本化、漫画掲載やゲームソフトとのタイアップ等、異業種コラボ等も積極的に取り組むようにしている。
・キャラクター自体は「元気で、楽しく、くだらない」というポリシーでさまざまな展開を行っているが、設定としては小学校低学年の男の子というだけ。キャラクターの設定を固め過ぎないことで漫画化やゲーム、映画などの既存コンテンツとのコラボの可能性が広がった。
・ただし何でもかんでもやるわけではなく、かならず「売り場への導線を作る」という「目的」はぶらさずに企画をしているという。話題性だけでは手を出さないというルール。
例えば、ガリ子ちゃんやシャリシャリ君などのサブキャラクターが生まれる場合も、そのキャラクターが冠された商品ありき。
・企業側が広告販促活動を超え、キャラクターライセンスによるグッズ販売などを事業化する場合の課題
ロイヤリティー(商品化ライセンスを行うことで得る使用許諾料)を稼ぎたいのか?
コンテンツビジネスをやりたいのか?
それとも広告の補完としてのプロモーションが目的なのか?
「その事業化によって何を目指すのか、目的がはっきりしないことが多いこと」
・この点ガリガリ君は、ずっと売り場導線(アイス売り場に人を呼び込む)にこだわって育ててきたところに企業としての一貫したポリシーがあり、目的のはっきりしていることが成果にも繋がっている。
<考察&まとめ>
「企業キャラクターのコミュニケーション」は事業化を前提とするのであれば改善余地が沢山あるということです。
分かり易いし・子供は好きだから取りあえずキャラクター作っとけのように、
勢いで生み出されて来たキャラクターが今や溢れ返っているように思います。
ゆるキャラも「熊」と「梨」意外は苦戦してそうですしね。
コミュニケーション戦略を今一度見直してみると新たな勝機が見つかるかもしれません。
わたしのお客さんにも早速ケーススタディしてみます。
それにしても「ガリガリ君」すごいわ。10年で約3倍の売上げってね。超成功事例で勉強になります。
それでは。
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