今、最前線を走り続けるディズニーリゾートを後方から猛追するテーマパークがある。
 

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大阪府にあるUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)。
 

2014年に開業した「ハリポタエリア」も大ヒットを呼んでいる。

行楽シーズンという助けもありこの夏、最も勢いのあるテーマパークなのではないでしょうか。


これまでも様々な報道からも業績好調ぶりを見聞きしていたが、この勢いを引き起こしている要因までは語られていなかった。


先日ダイアモンドオンラインよりリリースされた記事にこの勢いの【要因】が分かり易く載っていました。

参考記事:上場目前!USJの「集客法則」は今後も盤石か?


わずか2年で上場廃止になったUSJの華麗なる復活劇。


そこにはマーケティング戦略の成功が深く関係していたようです。


成功事例の一つだと思いので記録しておきます。

 

2011年からエグゼキューションされた徹底したマーケティング戦略


復活劇の背景には、2011年にマーケティング担当に就任した森岡毅執行役員を中心とした、徹底した来園者目線で繰り広げられたマーケティング戦略の成功があった。

森岡執行役員は「映画の専門店」として行ってきた同パークのブランディングを「誤ったこだわり」と切り捨てた。その根本にあるのが、世界最大の一般消費財メーカーP&Gで培われた消費者マーケティングの視点だった。USJとしばしば比較される東京ディズニーランドに対抗するために選択してきた本格派志向のブランディングが、一般消費者の感覚とズレ始めていることに気がついたのだという。

 

P&Gさんと言えば、生活者マーケティングの超強いとして会社で名実共に有名です。

P&GさんのマーケティングDNAが森岡氏を通してUSJにチューニングされたことが大きなポイントのようです。


マーケットで競争する場合、顧客に選ばれる理由付けに商品やサービスの競合との【差別化】がKSFの一つです。

森岡氏の目から見て、USJは【差別化】は出来ているものの、【お客様】に響くものではないと思ったのでしょうね。

 

そこでUSJが打ち出したのが、「世界最高のエンタメを集めたセレクトショップ」というコンセプト。それまで大人の映画ファンに限られていた顧客層を3~6歳の子どもを持つファミリー層や若い女性へ拡大するために、大人気漫画『ワンピース』をテーマにしたショーの告知や、ゲーム『モンスターハンター』のイベント化に注力したほか、園内に散らばっていた『セサミストリート』『スヌーピー』など子ども向けアトラクションを集約し、エリア化した。

 このような施策は、コストを抑えたまま高い集客力を実現、短期間でキャッシュを生み出した。このキャッシュを活用して、『アメージング・スパイダーマン』、そして前述した『ハリー・ポッター』などの本格派アトラクションに大規模な投資を行い、成功したのだ。まことしやかに囁かれた経営の危機を脱し、USJは名実共に日本有数のテーマパークへと育った。

 

大規模な手入れを行う前に、現状分析(3C・4P、SWOT等)を徹底して、現在の課題に向き合い処置したのが分かります。

園内に散らばっていたコンテンツを集約するなんてほとんどお金かかりませんし、イベントであればコストは膨らみません。


これらより得た収益を元手に、新たに集客力の高いコンテンツを生み出したということです。これを3〜4年の間でやってのけたというのですから、復活劇と呼んで間違いないでしょう。
森岡氏のマーケティングセンスも半端ではない。

 

既存のブランド価値を元手に徹底したブランディング戦略をすることで、日本のテーマパークビジネスのトップを走り続けるTDLと、一度は既存のブランディング戦略を放棄した上で、徹底した来園者目線のマーケティングを実施し、そこで生み出したキャッシュによりブランド価値を向上させ、復活を遂げたUSJ。この違いは、それぞれのブランドを握る「本家」との関係性にありそうだ。

 TDLを運営するオリエンタルランドは、米国のウォルト・ディズニー・カンパニーと厳密なライセンス契約を締結しているが、USJを運営するユー・エス・ジェーは、米国のユニバーサル・スタジオと資本関係のない自由な関係性を保っている。そのため、日本の漫画やゲームを題材にしたアトラクションなどの施策を、思い切って打ち出すことができた。

「来場者目線のマーケティング」すなわち「お客様目線のマーケティング」


ロングセラーしているブランドの共通項だと思います。

いつの時代もお客様目線に合わせ続けられているからこそ選ばれ続けているんですね。


一方で、ホールディングスやグループ企業、TDLのような「本家」との結びつきやがある場合、広告活動やマーケティング活動にブランドやライセンスレギュレーションが発生し、自由度が低い場合がありますよね。今も未だ多くのブランドが抱える大きな「課題」です。


やりたいことがあってもそれが「ルール上」できないというやつです。

 

法や制度はあって然るべきとは思いますが、

これらに引っ張られて「ブランドとお客様との間に乖離が生まれてしまう」のであれば、USJのように今一度見直す必要があると思うのです。

 

ブランドは「お客様との約束」と言われるもの。

常に消費者は変化するのであれば、企業も変化に柔軟性を持たせないといけない。

 

今も昔もこのセオリーは変わらないと思いますが、

昨今、特に消費者の変化が著しいためついていけていない企業やブランド多くなってきていることを考えると、

ついていける企業が成長し、ついていけない企業は取り残されいずれ淘汰され、はっきりと2極化してきそうですね。

USJの今後の業績は引き続きウォッチしていこうと思います。
 

USJが再上場したら「株」購入しようかな。その前にハリポタいかないとですね。

 


それでは。