金曜日、野村不動産の都市開発シリーズでも有名な,

都市型商業施設【GEMS】@市ヶ谷 で異業種の方と情報交換会をしてきました。



 


 
野村不動産といえば【PROUD】というマンションブランドが先ず思い浮かべられると思うのですが、最近は住宅以外の分野にも力をいれていますよね。


賃貸オフィスの【PMO】、物流施設の【Landport】、そして、都市型商業施設の【GEMS】


住宅というプライベートな空間とは異なり、多くの人が集まる空間を作るにあたり、

野村不動産としての「こだわり・工夫」があるという。


【GEMS】の利用で感じたことと、見聞きしたことを織り交ぜて、【GEMS】への野村不動産の「こだわり・工夫」をまとめてみます。

 
 

こだわり・工夫
 

①構成テナント

まず、【GEMS】の特徴は【食】に特化されたところにあります。

繁華街にあるような広域集客を目的とした【色々ある】商業施設と、明確に差別化してます。

これには、【色々ある】ことでの「デメリット=選択肢が多くて迷ってしまう」を解決するという目的があるとのこと。


【食】に特化することで『このビルに行けば何か食べれるよね!』というようにユーザーが変に迷う必要もなく、思考が単純化されます。
 

そして、実際に入っている飲食テナントも上質なお店ばかり。

野村不動産が厳選して誘致しているようで、東京でもこれまでお目にかからなかったようなお店が多いです。
 

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わたしがお邪魔したのは5Fにある「五色」という和食居酒屋です。静かでお洒落な大人向けの居酒屋です。鶏肉、魚、釜飯まで幅広いラインナップ且つ味もグッドで、接待やデートには間違い無いと思いますよ。うなぎ飯も有名です。
 

また、最上階の焼き肉「なかはら」は2ヶ月前から予約と取らないと入れないほど、人気店になっているようです。

 

ここまででは、都内に多くある飲食系商業施設とそんなに変わらないのではないか?と思う人もいると思いますが、それと差別化するためのポイントが更に3つあります。
 

一つ目は、そこに住む・働く人たちの需要に対して供給が足りていないエリアを選んで開発していること。二つ目は、お店に行く動機付けを外装・内装からもデザインしていること。

最後にこれらを束ねる【GEMS】というブランドです。

 

②開発エリア


【GEMS】1号店
は、渋谷駅南口で、恵比寿よりに位置します。このエリアは繁華街というよりもオフィスが多いですよね。


市ヶ谷というエリアにもたくさんのオフィスや番町といった住宅街があります。

この二つのエリアに共通していることは、食のニーズがあるのに、これまで一つも【飲食系商業施設】が無かったということです。


このギャップニーズに目を付けた開発エリアの選定が一つ目のポイントですね。

 

③外装、内装デザイン


また、【GEMS】は各フロアで内装・外装の雰囲気をガラリと変えるデザインを取っています。

実際に行ってみるとわかりますよ。


1〜2階は街並みに合わせた洋風なレンガ調。


3階には大きなテラスで開放感を演出。


4〜7階は木目調のルーパーをつけて木のぬくもりが感じられる和の雰囲気に。


そして8〜9階は眺望を活かすために全面を窓ガラスにした洋風やアジア系演出。


1フロア1テナントなのですが、演出が異なっていて面白いし素敵です。


「都心型の建物は外壁が同じような作りが多い」という既成概念を超えて、

各フロアに特徴を作り、「次はこのフロアのお店に行ってみたい」と思わせるような工夫が見られます。

 
 

④【GEMS】というブランド

恐らく、これまで整理したような要素を帰納法的な考え方で束ね、ブランド、コンセプトを設計していったのでは?と私はおもうのですが、非常に考えられたブランドになっています。

「GEMS(ジェムズ)」=英語の「GEM(ジェム)=宝石」の複数形です。
「GEM(ジェム)」、それは宝石から転じ、研磨された貴石や宝石のように
美しいモノ、完璧な人という意味を持ちます。
生き生きとした宝石(店舗・ブランドショップ等)がいくつも集積された貴石
のような都市型商業施設として、さらに将来に渡りその輝きを放ち続け
≪各々の街において人々の生活を輝かせる存在となる施設≫
≪施設にかかわる人々の大切な宝石となる施設≫
という思いを込めて名付けました。
ロゴも宝石を彷彿とさせる形状をビルのように積み重ねました。

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このブランドコンセプトがそこかしこに反映されているなあと実際に思った次第です。 宝石が放つ高級感、リッチ感、上質感をビルの外から中まで感じることが出来ました。
 

流石、マンションブランド【PROUD】でブランディングに成功しているだけあって、ブランドを大切にしている会社というのが凄く伝わります。


他の飲食系商業施設はここまで徹底したブランド戦略ができていないと思うので、大きな差別化ポイントだと思うのです。
 

 

まとめ 
 

このように整理してみると、野村不動産の都市開発における指針が見えて来ます。

 


ベースアイデアは、【そこに集う人、働く人のことを考えた建物作り】

ここに必ず軸足を置いています(お客様目線の商品開発)。

これにより、競合他社との差別化を徹底的に行う。

そして、最後の仕上げに、野村不動産の特徴であり強みである【ブランド戦略】を必ず添える。


 

ブランド作りのいわば教科書的な流れと言えばそうなのですが、これがなかなか難しくて、

悩まされている企業のブランドマネージャーも少なく無いはずです。

 

今回の【GEMS】の利用経験から、

野村不動産が顧客目線での都市開発に本腰を入れていること


そして、やっぱり

ブランド作りが上手な企業であるという再認識をすることができました。

 

都市開発系を生業にしている方には特に参考になる事例かもしれませんよ。


この【GEMS】は2016年に大門、神田のオープンを控えており拡大予測がされていますので、今後の動きが益々楽しみです。お時間あるようでしたら是非一度ご利用ください。

次は、7Fの【しゃぶせん】に行きたいと思っています(笑) 

 


それでは。