わたしが着目している分野の一つにクラウド・ファンディングがあります。

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言葉を聞いたことのある人も、最近は多いのではないかと思いますが、、、初めての人のために簡単に説明すると、クラウド(crowd)、つまりは不特定多数の人たちから、ファンディング(funding)、出資してもらうことを指します。このシステムはこれまで、個人や小規模ビジネスが、何か新しいことをスタートするとき、あるいはビジネスそのものを立ち上げるための資金調達のために使われるケースが多かったです。

 

基本的に、webサイト上で様々なプロジェクトが紹介され、それに興味を持った人たちが出資をするといったスタイル。出資者には作品が完成したあかつきにはそれを優先的に割引価格で購入出来る等の特典が付いているような立て付けがほとんどですね。

アメリカでいけば「Kickstarter」が超メジャー。日本国内でのメジャーなクラウドファンディングサイトは、READYFOR?、moonshot、CAMPFIRE、Makuake 等があります。

 

何かを個人や小規模ビジネスが始めるときに、そのお金を集めるためにはじまったクラウド・ファンディングでしたが、最近は、これだけではないクラウド・ファンディングの使われ方が広がってきています。


・それは、クラウド・ファンディングに興味を持つ人たちが増え、そこで話題になると、それがそのままマーケティングや広告としての役割を果たしてくれることがわかってきたからと聞きます。


・また、未完成の製品を提案して、それに対する市場の反応を見ることにもクラウド・ファンディングというシステムを役立てることができます。


・さらに、会社が社会貢献に力を入れていることを宣伝し、ブランド・イメージを向上させたりと、その使われ方はどんどん多様化しています。

 

こうなってくると、もはや個人や小規模ビジネスだけのためではなく、大企業を含む既存企業にとっても、いろいろな使い道のあるシステムということができます。実際、多くの大企業が色々な形でクラウド・ファンディングを使うようになってきています。


・クライスラー

自社が支援金を出し、車を皆で誰かに買ってあげるためのクラウド・ファンディングを行っていました。結婚祝いに皆からお金を集めて、車を送ろうといった感じです。このプロジェクトで売れた車の台数は、それほどでもなかったようですが、このことがうわさとして広がり、その車の知名度を上げることにはかなり貢献した事例。

この結果として、このキャンペーンの翌年には、その車の売上が2倍以上になったという。

 

・コカコーラ

メキシコの工場で水を使い過ぎている、という批判をかわすため、メキシコで井戸を掘るための資金集めにクラウド・ファンディングを活用。さらに自社もそれにお金を寄付する、というものです。これにより、コカコーラは、水を使い過ぎるという批判から、水の供給に貢献する会社というイメージ作りに成功している事例。

 

さらに、大手企業が市場に製品を投入する前に、市場をテストするためにクラウド・ファンディングを使う場合も増えてきています。ある製品を市場投入する前に、テスト的に使ってもらって、その市場性を見ることはよくあることだが、通常のアンケート調査やフォーカス・グループインタビューといわれる一部の人に評価してもらうやり方では、その結果に偏りが生じかねません。また、調査される側も、お金をもらったり、景品をもらったりして調査に答える場合も多く、必ずしも批判的な意見などが、そのまま出てくるとは限らないですよね。(わたしの本業はここなので良く分かります。)

 

これに対して、クラウド・ファンディングは、お金を出してもらうということなので、出資者側も本当に魅力があると思わなければ、出資しません。

そういう意味で、その製品の本当の価値を評価してもらうことにもなります。ソニーをはじめとして、発表前の製品の市場テストに、クラウド・ファンディングを使い始めていますね。

このように見てくると、もはや名前はクラウド・ファンディングといっても、出資を仰ぐだけのためではなく、マーケティング、広告宣伝、市場テスト、さらには社会貢献、会社のイメージ向上にもつながる、幅広い用途のインターネットの新しいシステムとしてのクラウド・ファンディングが見えてきます。

名前だけでその内容を判断するのではなく、どんなことができる仕組みか、常に一歩深く見てみないとその本質を見落とす可能性がありますね。 

それでは。