昨年の五島列島旅行をキッカケにスノーピーカー(=スノーピーク好き)になって以来、都内のインストアショップをよく覗くようになり、すっかりファンになってしまってます。見るたびに欲しくなってしまうのは割と高めなんで経済的に辛いのですが・・。

ただ、それだけ魅力的な製品なんですよね本当に。 この週末もショップに行こうと考えていたのですが、新潟燕三条発から世界ブランドとなったアウトドア企業の「 経営哲学」がギュギュッと詰まった一冊をたまたま見つけたので予定を変えて一気読みすることにしました。 読んだ感想ですが、この会社、めっちゃくちゃカッコイイです・・
山井社長の経営哲学の全てが素敵。こんな会社が地方発とは知らなかったです。良い製品が生み出されてくる理由が分かってまたスノーピークを好きになりました。他のアウトドアメーカーと比較しても高い、売上総利益率(粗利率)50% を達成し成長を続ける世界企業スノーピーク。会社経営する人だけでなく、多くの人に読んでいただきたい一冊です。


熱狂的なファン「スノーピーカーの存在」

スノーピークを支持する熱狂的なユーザー。それはスノーピーカーと呼ばれている。私たちがオートキャンプのスタイルを提案するまで、日本におけるキャンプのスタイルは大きく2つに分かれていた。

1つは「学校行事で行くキャンプ」の流れであり、もう1つは「ゴールデンウィークや夏休みにホテルや旅館にお金を使いたくない人が代用するキャンプ」だった。

どちらも豊かなスタイルからは程遠かった。これに対して、SUVを走らせ「自然の中で豊かで贅沢な時間をすごすためにキャンプしよう」というのがスノーピークの発想の原点だ。ミッション・ステートメントに「自然指向のライフスタイル」の実現を掲げ、目指す方向に真っ直ぐ進んできた。すると自ずからファンが増え、熱狂度が高まるにつれてブランド作りが加速してきた。
カード会員は10万人を超えており、スノーピークにとってのロイヤルカスタマーにあたる、最高ランクのブラックカード保有者は既に6,000人、プラチナカードの保有者は5,500人程。プラチナカード以上の保有者をカード会員全体でみると、 人数では6~7%ほどの比率にしかすぎないようですが、 なんとこの層の売り上げが全体の4分の1を占めるというのだから、経営は熱狂的なファンに支えられていることが分かりますよね。ブランディングが非常に上手いことが分かります。


製品はすべて永久保証、保証書がついてない

これは製品の保証をしない、という意味ではない。正反対だ。保証期限を定めることなく、永久に製品の保証をしている。最初からそのつもりなので、わざわざ別に保証書をつける必要がない。

永久保証だと知ると「本当にそんなことができるのか」と驚く人がいる。だが、私からしたら、メーカーとしてそれだけ自社製品の品質に自信を持っているし、当然のことをしているだけだ。保証の対象にしているのは製造上の欠陥にまつわることで、例えば、スノーピーク製品のパーツが外れたら、製造上の欠陥になるから無料で取りつけ直す。

ただし素材には限界があるため、素材自体の摩擦や経年劣化などについてはこの保証の対象外にしている。永久保証に必要となる些少なコストは会計上、あらかじめサービス費として計上している。
本当に素晴らしい発想。本書の中ではマーケティングはやらないと断言していますが、買う側の立場に立っている真のマーケティング活動だと思います。 こういった考えが広まると、きっと今現在のプロダクトの在り方も変わってくるんだと思います。「永久保証」っていう言葉のインパクトは半端じゃないですね。 企業・ブランドへの信頼感・安心感が飛躍的に増えます。


画期的な製品開発マインドを持ったイノベーティブ集団

既存の何かを打ち破ったとき、誰もが「すごい」と思う瞬間がある。スノーピークではそんな製品を開発し、1つでも多く世に出したい。

例えば、最近発売した「ラウンジシェル」はテント内に炭火スペースを世界で初めて設けた。囲炉裏のようにみんなで炭火を囲んで、食を楽しむ、会話を楽しむ、自然を楽しむという、今まで体感したことのないコミュニケーションを生む画期的なシェルターだ。

アウトドアの業界では、一酸化炭素中毒の危険があるためにテントの中で炭火を使うことがずっとタブーになっていた。これに対してラウンジシェルではテント内でバーベキューまでできる仕様となっている。こうしたことに挑むのは、世界中のアウトドアメーカーでもスノーピークだけだろう。
世界に先駆けSUVで自然の中に出かける「オートキャンプ」のスタイルを日本に生んだスノーピークのイノベーションスタイルは今も続いており、様々なイノベーションを起こしています。この炭火ができるテントはとても画期的です!13万円か〜高いけどめっちゃ欲しい。

snow peak(スノーピーク) ラウンジシェル tp-500


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しかし、画期的な商品だからといってそれが直ぐに売れるとは限らないのが世の定め。これに対して山井社長の考え方がとっても素晴らしいです。読むと分かりますが、これを実現できる会社は他にあるのだろうかという感覚。
画期的な製品を開発したとき難しいのは、「すごい」からと言って、その製品がすぐに売れるとは限らないことだ。ラウンジシェルの場合はサイズが大きいため、「職場の10人で宴会をする」「3家族で楽しむ」など、これまでのテントと違った使い方になる。まだアウトドアファンに馴染みが薄い面があるようだ。

スノーピークには同じように「コンセプトはすごくいいが、まだ売れていない製品」がある。それでも売れないからといって、すぐに廃番にすることはない。こうした製品は3年くらい後になってから売れ始めることが多い。 発売時期と売れる時期にタイムラグが発生するのは、スノーピークの製品が社会にフィットするスピードよりも少し早く世に出ているからだ。

私は年間何十日もキャンプをしており、社員にもヘビーなアウトドアの愛好者が多い。このため、アウトドア用品の今後について気づくのが「早すぎる」ということが起こりやすい。 顧客にとっては発売しても当初は「製品の意味が分からない」状況が生じる。それが時間の経過とともに、理解が広がり売れるようになる。 新しい価値観の製品を作る以上、売れるまでに時間がかかる。市場創造型の会社であり、タイムラグが生じるのはある意味で宿命だ。

マーケティングの観点から考えれば、売れている製品でそろえるために、売れない製品を入れ替えるべきだとなるだろうが、スノーピークではいつか売れる可能性のある製品はあえて残しておく。こうした開発ができるのは、他の製品が売れているからであり、同時に在庫に耐えられるだけのファイナンス能力をこれまで築いてきたからでもある。
スノーピークは無借金経営を続けてこのような先進的な開発を続けている日本唯一の会社と言っても過言ではないと思います。事業規模もちゃんと拡大していて本当に凄いですよね。


社員はみんなアウトドアが大好きでマニア

本社で働く社員の中には、オフィスで丸1日働いてからも、家に帰らないで目の前にあるキャンプフィールドにテントを張って1晩をすごし、翌朝にテントから出社してそのまま働く人がいる。もちろん毎日ではないが、東京や大阪のオフィスで働く人にとっては考えられないような働き方がスノーピークでは可能だ。

多くの社員が働くことと同時に休日をしっかり楽しんでいる。長めの休みを取得して遠方に出かける人もいるが、むしろ多いのはそれほど遠くないところに土曜日にキャンプに出かけて、日曜日に帰ってくることを頻繁に繰り返すケースだ。

年間でアウトドアで20~30泊する社員がたくさんいる。そんな中で年間のキャンプの日数が一番多いのは社長の私だ。有給休暇の消化率は100%というわけではないが、少なくとも休みが取りにくい会社ではない。
好きなことが仕事になるのは本当うらやましい・・・。今後は様々な仕事がオートメーション化し、人工知能の登場などで「仕事の趣味化」が進んでいくはずなのでスノーピークはそのロールモデルになりそう。このような働き方がずいぶん増えてくると思うんですよね。それに好きなことでない限り、イノベーションは難しいですよね。ぼくも今それを強く感じています。やるなら好きな仕事が良い。


終わりの見えないイノベーションスタイル

次の成長を実現するためにはこれまでの事業の枠にとどまらない形で新たな事業プランを練っていく必要がある。

そのためのキーワードがアーバンアウトドアだ。これはスノーピークがこれまでアウトドアでやってきたこと、つまり突き抜けた品質のものを日常生活に対して提供していくことだ。圧倒的に品質が良く、デザインも良い製品を使えば、そうでない製品を使うよりも豊かな生活ができると私は確信している。今まではフィールドで人と自然をつないできたスノーピークが、今度は都市でも自然と人を繋いでいくと考えていただくとわかりやすいかもしれない。
この哲学にも輝きを感じます。都市でスノーピークのイノベーションが見れるのはこれはこれで楽しみかもしれません。 セキスイハイムさんとコレボレーションしている注文住宅の提案はこの切り口の一つでしょうね。今の所、スノーピークのイノベーションには終わりが全く見えませんね。

「野遊び基地」で暮らそう。


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最後に

まあとにかく哲学の全てが素敵だし合理的。アップルも見学に来るくらい世界からも注目されているジャパンブランドです。興味があれば是非本書を読んでみてください。 何か気づきがありますよきっと。

今後の社会の姿を勝手に予測すると、「アウトドア」はもっともっと広がると思ってます。モビリティ、住まい、エネルギー、インフラ、様々なテーマと相互リンクするし「移動型住居」とか「空き家活用」とか「RVパーク」とかこのあたりにスノーピークの知恵が入り込むとめっちゃ面白くなりそう。あとは「農業」「林業」とも発展しそうですね。ぼくの周りにもアウトドア嗜好の人がもっと増えれば良いなあ。あースノーピークの方と仲良くなりたいマジで。

こちらの書籍もオススメです。 人間の基本を取り戻しましょう!
ぼくが購入した山岳テントもオススメですよ!
今日はこの辺で。
それではー!