北海道新聞から興味深い記事を見つけた。

ヒグマ対策 人材の育成が急がれる

参照記事:「害獣駆除」がビジネスに!「これも地方創生の強力なソリューションになる」と思った。

過日、鳥獣被害を防ぎながらビジネスを行うケースをこのブログで取り上げさせていただいたが、島根と北海道では被害の様相が大分違うようだ。

対する獣のスケールが全然違う。
市街地に出没したり、農作物を荒らしたりするなど、問題を起こすヒグマの被害をどう防ぐか。道が今年から、ヒグマの狩猟者を育成するための春季の「捕獲事業」を全道に広げた。狩猟技術を次の世代に引き継ぐのが狙いだ。  

ヒグマと人が共生するには、個体数を適正に保ち、人とクマが安易に近づかないようにすることが大切になる。 狩猟者やヒグマの生態に精通した人材の育成が急がれる。道のさらなる取り組みを求めたい。  

道内のヒグマの推定生息数は、春グマ駆除が禁止された1990年度は5800頭だったが、道の最新の推計では2012年度で約1・8倍の1万600頭となり、1万頭の大台を超えた。  

増えた若グマが、山奥から押し出される形で縄張りを求め人里に近づいている。人を恐れない個体が増えている。 道は14年、全道のヒグマ保護管理計画を策定した。道内5区域で適正な生息数と捕獲数の上限を決め、被害とともに駆除の行き過ぎを防ぐのを狙いとする。  

課題は、問題行動を起こすクマが出た場合に、現場に出動して駆除に当たる狩猟者が減少し続けていることだ。 高齢化に加え、大半はシカの有害駆除などの経験しかない。実際にクマを撃てる技量を持つ熟練者はわずかだという。  

道は、渡島半島で05年から先行実施していた、クマを見つけやすい残雪期(3~5月)の捕獲事業を今年、道央や道北、道東の13市町で新たに行った。 ベテランが講師となって、雪に残る足跡を追い、クマ撃ちの技術を学ぶ。道によると、今季は27日現在で12頭が捕獲されている。 こうした狩猟でクマにプレッシャーをかければ、人との緩衝地帯をつくることも期待できよう。  

それぞれの地域でヒグマ対策に当たる人材の養成も欠かせない。 人との偶発的な遭遇を防ぐために、隠れ場所となるやぶを刈り払ったり、住民への啓発を効果的に行うことなどが求められる。 道は昨年から、市町村や振興局の担当職員に専門知識を身につけてもらおうと、ヒグマの生態や被害が出た場合の対応などを学ぶ研修を道内各地で始めている。  

ただ、公務員は異動などで担当を離れることも少なくない。ノウハウの共有が大事になる。  道として、ヒグマ対策を担う専門対策員を各地域に配置することも検討すべきではないか。
後継者不足はどこの地域も同じ課題。 深刻なのは対する相手が「ヒグマ」であること。 クマを撃てる技術は、シカやイノシシのそれとは比較にならないほど難しいらしく、その技量を持ちわせる熟練人材は極めて少ないのが現状。
漫画『ゴールデンカムイ』の作中にも度々ヒグマが登場するのだが、近距離で対峙したら「死」を覚悟する他ないことが良くわかる。 しかしながら、増殖を続けるヒグマ達。 このままでは甚大な被害は続くどころか拡がる一方。
時間とコストのかかる人材育成とは異なったアプローチも早急に検討が必要なのではないだろうか。

今、解決策となるアイデアを持ち合わせているわけではないが、同じ日本で起きている被害として自分に引き寄せて考えていきたい。 いやはや深刻です。

マタギ(狩猟)小説としては、熊谷達也さんが有名で「マタギ三部作」が特に有名らしいので、知見を溜めるためにも読み進めてみたいと思います。