こいつはゆとり世代の必読本です。

この本超面白い。久々にキタ。
ちきりんさんとウメハラさんにめちゃくちゃ煽られます。
17歳で世界のトップに立ちながら、自分の生きていく道は本当にゲームでいいのかと悩み、あがいてもがいて自らの居場所を見つけた梅原大吾氏

一方、「いい学校からいい会社」という学校エリートの道を歩みながら、乗っていた大きな船を降り、回り道して「いい人生」に辿り着いたちきりん氏

世界一プロゲーマーとカリスマ社会派ブロガー―居場所も考え方もまったく違うふたりが、生き方をめぐって語り合った白熱対談。
全く池の違う影響力の強い二人が混ざり合うとこんなにもエキサイティングな対談になるんですね!
2時間かからずで楽しみながら読み終わりました。

あまりに刺激的で本質をついたコメントが多くて刺さった箇所を挙げだしたらキリがありません。

厳選して幾つかメモしておこうと思います。

第2章の学校教育に関する対談より。
ちきりん「試験前だから勉強しろ」って「勉強の目的は試験で良い点を取るためである」って聞こえるもんね。

ウメハラ
 でしょ。中学の時も社会の先生はことあるごとに、「とにかくおまえら勉強だけはしないとダメだ」と言うので、勇気を出して聞いてみたんです。「先生、すいません。なんで勉強しなきゃいけないんですか?」って。そしたら、「そんなことは考えなくていい」とはっきり返されました。「そんなこと考えるヒマがあったら勉強しろ」と。

ちきりん
 それねー。先生ってしょっちゅう「そんなコトは考えなくていい。とにかくやれ」って言うよね。アレ最悪だと思う。学校って「考える力」をつけるための場所なのに。
ウメハラ 学校がどう変わるべきかという話で言うと、僕はやっぱり「なぜ勉強をしなければいけないのか」を、もっとしっかり教えて欲しかった。それがわからないと、テストで高得点を取ることに生きがいを感じる人以外は、勉強に興味が持てない。

ちきりん
 そういう「なぜ」が納得できないと、イチミリたりとも動かないのがウメハラクオリティですよね。

ウメハラ
 それ普通でしょ?たとえば、歴史なら「そんなこと言われたら歴史をもっと知りたくなるじゃん!」って思わせるくらいワクワクさせてほしかった。そうすれば、僕だって勉強する。もちろん反対に「やらないとこんな風に困るよ」ってのでもかまわない。その上で学ぶかどうか、自分で決めろと言えばいい。

ちきりん
 えっ、自分で学びたくないと決めたら、学ばなくてもいいと?

ウメハラ
 本人が学びたいと思わないことは、どうせ学べないですから。 たとえば僕が数学を教える側にいたなら、「あのな。数字に弱くても人間の価値が低いわけじゃない。でも先生がゲームやマジシャンをやってきた経験上、数字に弱いと勝負の世界では勝てないそ」って言いますね。

ちきりん
 そんなこと言うわけだ! でソレは困ると思った子は数学を勉強すると。
ぼくも「勉強しろ」の理由を本当は教えて欲しかった。

けど、周りの大人は決して教えてくれない。

そんな中で高得点を取ると褒められていい気分になって。

日本の学校教育のダメな部分をまさに実践してきてしまった典型的なタイプが僕です


「そーなんだよ!そーなんだよ!」と心の中で叫びながら呼んでいました。
ちきりん 私はみんなと同じように勉強するのは、小学校6年生まででいいんじゃないかと思っています。そこまでで読み書きとか四則演算とか、最低限、必要な勉強を終わらせて、あとはもう選択制にするから好きな道を走れと。

ウメハラ
 確かにそれぐらいかも。だけど現実には、僕みたいにゲームが大好きだったり、「宇宙船を造りたい」みたいに、やりたいこと、なりたい職業がはっきりしている中学生は少数派ですよね?だとすると、大半の普通の子はまんべんなく学ぶしかないのかな?

ちきりん
 私は特にやりたいことのない普通の子であっても、何かひとつを選んでそれを必死でやったほうが、よほど生きる力がつくと思います。

ウメハラ
 でも、そういう子にとっては、その「選ぶ」ってのが難しいでしょ?

ちきりん
 だからこそ選ばせるんです。なぜならそれ自体が、「できるようにならなくちゃいけないこと」だから。だって社会に出る時に、「自分では選べないから、誰か僕の仕事を選んでください」ってわけにはいかないでしょ?

ウメハラ
 そうか。「選ぶ力」も身につける必要があるってことですね。

ちきりん
 そう。中学校で学ぶ科目を選択制にするのは、中学生に将来の職業を今すぐ選べってコトじゃなくて、自分の人生を自分で決める練習をさせようという話なんです。「いつまでも一緒」じゃなくて、自分で選んで、みんなとは違う道を歩んでいくんだよってことを身をもってわからせる。

ウメハラ 意義はわかりますが、何も好きなコトがない子はどうすればいいんですか?

ちきりん 何かひとつ選んでみて、コレは違うと思えば、いくらでも変えればいいんです。学期ごとに科目を選びなおせるようにしておけば、いつでも方向転換できる。

ウメハラ 後から変えてもいいから、わからないなりにとりあえず選んでみろと。
「生きる力=選ぶ力」

「まさに」だと思いました。

僕が受けてきた教育って自分で選択をすることが極端に少なかったように思います。

周りの大人の敷くレールから外れないようにその上で高得点を目指す。

選ぶ必要がないから考えないし、失敗も少ない。

こんな小中高だったなあと振り返り。

高い学費を親に出してもらって本当に無駄の多い時間を過ごしていたのだなあとつくづく思います。

この本の中にも書かれていますが「学歴が高い=仕事ができる」という方程式はほぼ成り立ちません。

学歴関係なく、ここに書かれている「生きる力」をどうやって育んできたか? これによるんですよね。

ウメハラさんのようにそれがゲームだっていいし、スポーツだっていい。

学校に通う価値が急激に下がっている今。
「生きる力」を学ぶことができる学校教育に変えること以外に学校の価値向上は残念ながら無いと思うんですよね。

この本、学校教育従事者はもちろん、親御さん等にも是非とも読んでいただきたい。
皆で考えなければいけない大きな問題だと思います。

高度経済成長期はこのシステムが多いに評価されていたけど、今はもう21世紀です。
考え方を変えないといけないと思うんですよね。

まあ暇があれば読んでみてください!
とにかくめっちゃ面白いです。

2回目ですが、これ、ゆとり世代の必読本。
こちらからは以上です!