TnaShin(たなしん)です。

最近、様々なメディアが「ストーリーテリング」を取り入れています。
「ストーリーテリング」とは、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる印象的な体験談やエピソードなどの"物語"を引用することによって、聞き手に強く印象付ける手法のことです。 ストーリーテリングとは - コトバンク
身近なところでいうと、Instagram(インスタグラム)でしょうか。
24時間で消える新機能「ストーリーズ」を発表しましたよね。

「伝えたい思いやコンセプト」は自分や自分の体験となり、印象的な体験談やエピソードを「ストーリーズ」を使って表現するという構造です。

ストーリーテリングとは、要するに「物語を語ること」です。

人は、物語が大好きです。 その昔、情報交換の時、他人から物語を聞いて情報を得る必要があったから本能的なことだといわれています。

今日はこの「ストーリーテリング」についてお話しします。

ストーリーを重視したメディアコンテンツが増えている

皆さんもお気付きだと思いますが、ストーリーを重視したメディアコンテンツが増えています。

そしてそれは結構な長文となっていることが多いですが、SEOを狙って書いているのではなく、ストーリーを重視した結果その文字量になっているということが多いと見ています。(結果SEO対策にもなっている)

有名なところでいくと『東京カレンダー』の連載「東京女子図鑑」でしょう。

スクリーンショット 2016 08 24 21 46 13
ついつい読んでしまうストーリータイプのコンテンツの中に店舗紹介を落としこむ手法が特徴的で、多くの人から支持されています。 

また、経済ニュースアプリ「NewsPicks」には、「ストーリー・エディター」という職種が存在していて、 夏野剛さんや田原総一朗さんやネスレ日本高岡浩三さんといったイノベーターの人生を全20回近い連載で深掘りし、その魅力を伝える「イノベーターズ・ライフ」のようなストーリーを重視したコンテンツ制作を手がけています。

【連載目次】 イノベーターズ・ライフ:夏野剛(全23話)


さらに、NewsPicksでは、ディスラプションという連続小説が掲載されています。
大手家電メーカー勤務の「大企業男」、電気自動車を開発する「スタートアップ男」、2人の間で揺れ動く大手広告代理店勤務の女性──。それぞれの視点を通して3人の野望と挫折を描き、安定か夢か、男の価値とは何かを問う。
このようにフィクションでも「ストーリー」の扱いが重視され始めています。
ノンフィクションもフィクションも関係なくそこかしこに「ストーリー」は現れるようになりました。

ぼくが最近注目している注文住宅に特化したメディア「klasic」では「建築家のストーリー」を「家を購入しようと思っている人」へ伝えようとしています。

ストーリーを重視したサービスも増えている。

ストーリーに注目しているのは何もメディアだけではありません。

農家と消費者を繋ぐプラットフォームサービスFarmfes(ファームフェス)もストーリーを重視しています。
スクリーンショット 2016 08 24 22 08 44

全国各地の農家さんが持つ「ストーリー」をインタビューで掘り起こし、農業に興味のある人、自分の農地を持ってみたい人へ農業の素晴らしさを伝えています。

この他にも、世界が認める日本の工場と生活者を繋ぐFactelier (ファクトリエ)は工場に眠るストーリーを掘り起こしています。

スクリーンショット 2016 08 24 22 11 43

このようにして個人や企業の魅力をより多くの人々に伝える手段として「ストーリー」を活用する事例がだんだんと増えてきていると感じています。

なぜストーリーテリングが重要なのか?

The VergeRe/codeなどの8つの特化型メディアを持つVox Mediaのメリッサ・ベル氏はこのように語っています。
わたしたちは、オンラインでいかにジャーナリズムを行っていくべきかということを理解し始めたばかりだと思います。テレビや新聞、ラジオといったメディアでジャーナリズムがつくられてきた年月に比べれば、オンラインジャーナリズムはまだ始まったばかりであり、これからそのあり方を考えていく時間はたっぷりとあります。

オンラインというのは、ウェブサイトだけを意味するものではありません。動画、メッセージアプリ、Snapchatなどのソーシャルメディアから、Amazon Echoのような人工知能スピーカーまで。いまはそれらの異なるフォーマットを使ってどんなストーリーテリングができるかを考えることができる時代であり、それはとてもわくわくすることです。

喜ぶべきニュースは、いま、ますます多くの人々がストーリーを求めているということ。

だからこそわたしたちは、素晴らしいストーリーテラーでなければいけません。素晴らしいストーリーを正しく伝えれば、かつてないほど多くの人々に届けることができる時代なのです。
参照:ジャーナリストからテクノロジストへ──Vox.comメリッサ・ベルが語る「変革時代のメディアのつくりかた」

情報が溢れている現代においては、たくさんの人々に情報を届けるには「ストーリーの力」を活用しなければなりません。

その際に求められるのは、多様なチャネルや異なるフォーマットに合わせて、ストーリー(=コンテンツ)の形を最適化するアイデアです。

この思考は分散型メディアの考え方とも言いましょうか。

今後ますます、自身のブランドをより多くの読者に届ける手法として「ストーリーテリング」の重要性は増していく気がしてます。


最後に

少し前にぼくが今考えていることツイートしてみました。
ここに書いていることも「ストーリー」があることを当然としています。

消費されない仕事には「ストーリー」が必ずある。
そしてそこには、世界観や質感や温度感も存在する。
地域や企業、そして人に眠る「ストーリー」を掘り起こしその価値を世に伝えてゆく。このような仕事にも今後は多く関わっていきたい。

ストーリーテリングを活用して作りたいメディアとプロジェクトがいくつかあるので下書き作ってみようかな。

ストーリーテリングに関係する書籍もいくつか掲載しておきます。
こちらからは以上です!