TanaShin(たなしん)です。
 

今日は愛読している書籍のご紹介。

2015年の2月にエイ出版社が出したムック本で禅(ZEN)に関する特集号。
ぼくが購入したのは2016年になってからですが未だに読み返すことが多い雑誌のうちのひとつです。

そして読み返すたびに禅の言葉として知られた 「考えるな、感じろ」 を反芻(はんすう)してます。

iPhoneを作り出したスティーブ・ジョブズも若い頃から禅に傾倒していたということで知られていますが、彼が作り出した21世紀を代表する「iPhone」というデバイスは、大人から子供まで説明書なしに楽しめる、まさに「考えるな、感じろ」を体現したもの。

このムックの特徴的な箇所を一部抜き出しておきます。

Jobs 参照:http://uni-lab.info/2015/09/13/r1/

なぜジョブズは禅に影響を受けたのか。

「禅」いや「Zen」は今、世界的に知られる言葉となっている。現にアメリカでは、多くの大学で仏教の講座が開かれている。座禅の実習が行なわれている大学もある。

「東洋的神秘」「自己探求」
「精神統一」「自覚」「瞑想」など、

自己啓発を目指す人も、あるいは苦しみの中にあって救いを求める人も、これらの言葉に惹かれ、ZENに興味を持つ。

スティーブ・ジョブズも、仏教や禅に惹かれ、その影響を強く受けた人物の一人である。ジョブズは17歳のときインドを旅する。その時に「来る日も来る日もこれが人生最後の日と思って生きるとしよう」という言葉に出会い強烈な印象ををうける。

かのマハトマ・ガンジーに「明日、死ぬかのように生きろ!永遠に生きるかのように学べ!」という言葉があるが、このようなインド的宗教観が17歳の青年のその後の人生を変えることになる。

ジョブズは、その後、毎日「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことを私は本当にやりたいのだろうか?」と問いかけ続けたという。仏教や神、東洋的瞑想に興味を持ったジョブズは大学時代、カリフォルニアに広まっていた禅の道場や禅センターに通い、日本の禅僧から指導を受け、そこで曹洞宗の僧侶、乙川弘文(おとかわこうぶん)と出会い師事する。

ジョブズはこの乙川弘文から少なからぬ影響を受ける。ローリン・パウエル夫人と結婚する時も、仏教式の挙式を行い、乙川弘文がその式司を務めている。

出家して、日本に渡り永平寺で修行したいと真剣に願った時もあったというが、師の弘文はこれを思い止らせ、ジョブズが強い関心をもっていた「ものづくり」の世界で仕事をしつつ、禅の教えと関わり生きる生き方を勧める。

そしてまさに、その後の人生の中で、禅の教えと生き方は常にジョブズの拠り所となっていく。人生には三つの坂があるという。

上り坂、下り坂、そして「まさか」である。 ジョブズは若い時にアップル社を設立、上場に成功して大きな財を得る。しかしその後、自分が創立した会社を追われるという「まさか」の出来事。

48歳の時には、膵臓(すいぞう)癌と診断され、一時は余命3ヶ月〜6ヶ月と主治医から告知される。ジョブズの波乱万丈な人生に禅は寄り添い力を与えた。


禅の解説で読み解くジョブズの名言

ジョブズは多くの名言を残しています。

その名言にはどれも禅の精神に通づるものがあるとして特集内で考察が行われています。 この考察ページ、結構好きなんですよね。
「終着点は問題ではない」

-解説 -
ジョブズはよく「Journey is the reward」と言う。旅そのものを楽しむ、結果ではなく行程を大切にする、ということ。道元は「修行のなかにさとりがある」という。今を真剣に生きるだけ。
「ライバルは、いない」

-解説-
一見、傲慢な言葉のように聞こえるが、「誰かと競争するのではなく、勝ち負けを競うのではない」、「ただベストを尽くすだけ」という思いから。自分との闘いこそが禅である。
「名匠はたとえ見えなくても飾り棚の裏に悪い材木は使わない」

-解説-  
道元禅師の言葉に、「内面よくして外面を飾らない」という言葉がある。ジョブズは常に独創的で新しいものを求めた。けれど外面的な目新しさだけでなくより質の高いものを求めていた根拠であろう
などなど。

最後に

自未徳度先度也(じみとくどせんどた)

自らは未だ得ていなくても、まず先に他者に得させる。という利他の言葉。 好きな禅の言葉の一つです。 シンプルだからこそ響く禅の教え。

禅の研ぎ澄まされたその思想は、変化の時代のブレない「軸」に必ずなる。

1年以上前のムック本ですが超オススメです。
愛読書へのエントリーを是非どうぞ。 それでは今日はこの辺で!
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